『NANA RULEZ』画家 佐竹奈々

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烏森神社の御守りを



革のスニーカーのカカト&お気に入りのパンプスのヒールを直してもらうため、半年以上ぶりに行きつけの靴修理屋さんへ立ち寄りました。久々にお会いする靴修理職人のおじさん(年の頃はちょうどうちの父親くらいかな?!)、いつもと様子が違うのでちょっと心配になりました。

声にも目にも力がなく、明らかに顔色も悪く、ほんとにまるで別人のようでした。いつもなら自信満々で頼もしく、凄いスピードで仕上げてくれる靴修理も「仕上がりは3日後になるかもしれない」とのこと。

烏森神社の御守りを_f0105276_054407.jpg

靴の修理依頼をしながら世間話をするうち、ポツリポツリとおじさんが事情を話してくれました。数ヶ月前から癌に倒た奥様が入院してしまっていること。おじさんは毎日コンビニ弁当をたべていて、これまで奥様にすべて任せていたので家事も何をどうしたら良いのかわからない日々だということ。そんな毎日を過ごすうちに、ご自身が鬱病になってしまい、今は処方された薬を飲んでいるのだということ。

いつも元気なニコニコ笑顔で靴を直してくれていたおじさん、腕がいいのに商売っ気がなさすぎて元から安い修理代金をいつも更にオマケしちゃうおじさん、仕事が大好きな職人気質なおじさん、、、

そんなおじさんの憔悴しきった様子を見て、切なくて切なくて、わたしは胸が押しつぶされそうになりました。何を食べても美味しくなくなっちゃった…と言うおじさんに、せめて旬の新鮮な果物を食べてみたらどうか…なんてことくらいしか言えず、、、元気を出してとも頑張ってとも言えず、ただただ話を聞くことくらいしか出来ませんでした。




おじさんの店を出てから、次の待合せ時間まで少し余裕がありました。ふと私のバッグの内ポケットに、烏森神社(新橋)の「病気平癒」の御守りが入っていることに気がつきました。大切な人の親友が、以前わたしのために買ってきてくれた御守りでした。


……新橋ならそう遠くはない!

私は大急ぎで新橋の烏森神社へゆき、おじさんと奥様の病気のことを祈願することにしました。そして、自分がもらったものと同じ「病気平癒」の御守りを買っておじさんに届けました。

おじさんは御守りを受け取ると、それを拝むように両手で包み込み、深々とお辞儀しました。おじさんは涙の目を靴修理で年季の入った黒い指でぬぐっていました。いつの間にか私も涙目に。

おじさんのファンは沢山いるよ、私もおじさんのファンだしおじさんの味方だよ。みんな応援しているよ!……気持ちはうまく言葉にならず、、おじさんと握手して別れました。




大切な奥様が大病に倒れてしまったおじさんの悲しみや苦しみは言うまでもありませんが、大切なご家族を残して大病に倒れてしまった奥様ご本人の苦悩は計り知れません。

奥様のご病気が一日も早く平癒しますように。おじさん自身も健康と元気を取り戻してくれますように。。陰ながらお祈りしています。

byNANA
by 7satake | 2015-11-24 23:51 | LIFE
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